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おふざけ物語
「赤ずきん~自分への忠誠心~」
「赤ずきん、本当に大丈夫?」
心配そうにする母(遼)。
身長が高くて程よく引き締まった体型な母親であるが、そんなことを気にしたら負けなのである。
「大丈夫だって。心配性だなー」
明るく答える赤ずきん(龍彦)。
この際、身長差や年の差は無視である。
とにかく気にしたら負けなのだ。
「だって赤ずきん、森には怖い狼が居るんだよ?」
「狼が居たら鉄砲で撃てば良いよ」
「え?」
驚く母を尻目に、赤ずきんはガチャガチャと鉄砲の準備をする。
「え、赤ずきん…?どうしてそんな物騒な物を…」
「用心に越したことはないだろ?」
ニヤリと笑って鉄砲を持つ赤ずきんは、母にとって狼より恐怖を感じた。
「んじゃ、行ってきまーす」
「ぇ、あ、赤ずきん…!」
呼び止めようとする母を無視して家を出ていく赤ずきん。
どこか足取りが軽くて、まるで舞踏会に向かう姫のようだった。
「………」
初めて狼が心配になった母であった。
「…あ、花畑!おばあさんに持って行ったらきっと喜ぶな」
言い終わるより早く摘み始めた赤ずきん。
その様子を見てた者が居た。
「……うむ、なかなか美味しそうだな」
母が注意しろと言ってた狼(雅貴)だった。
獣耳とフサフさの尻尾が生えてるだけの人間だが、やはり気にしてはいけないのである。
「むむ、なんか寒いな…日射しは暖かいというのに…嫌な予感がする…」
そしていち早く危機を感じ取った赤ずきん。
天性の才能なのか警戒心が強いだけなのか、またはそういうのに慣れているだけなのかの判断は難しい。
「もしもし、そこの可愛い人」
気がつけば赤ずきんの真後ろには狼が。
優しい笑みを浮かべて立っている。
「……何このおっさん」
赤ずきんの言葉に空気が凍る。
「おっさんじゃない、まだまだお兄さんの部類だ」
「でも俺からしたらおっさんだし」
「これ以上言うとお前の愛する妹を犯すぞ」
「お兄さん何かご用ですか?」
良い笑顔で利く赤ずきん。
「うむ。お前に惚れた。だから俺の嫁になれ」
「…………………はい?」
「だから嫁になれと言ってるんだ」
「…………」
何言ってやがるんだ、この狼は…。
それを口にすることなく相手に伝えた赤ずきん。
確かにこれでは狼の意味が違う。
「良いじゃないか、本家でも食べられるんだから意味は一緒だろ」
「何だその理論は。狼の意味が変わってるからダメだろ」
「…どうせ食われたいくせに」
「誰がじゃ!!!!!」
先程から何回も言っているが、台本通りに進まないのも気にしてはいけない。
「そんな可愛らしくて目立つずきんを被るなんて誘ってるようなもんだろ」
「俺の趣味じゃない!」
「しかもスカートなんて履いて…」
言い終わるが早いか、狼は赤ずきんに飛び乗った。
押し倒された形になった赤ずきんの顔が真っ青になる。
「…美味そうだ」
ニヤリと笑って、狼は赤ずきんの足を撫でる。
「え、おま…ちょ…!」
赤ずきんの抵抗は無意味だ。
何故なら少女だから!体がそのままでも設定は少女なのである!
「俺の辞書に脚本なんてない。この展開も予測していただろ?」
「してたけど!だからって本当にやる奴がいるか!」
「ここに居る。というかお前が可愛いのが悪い」
気付けば赤ずきんの服はかなりはだけたりしていて…つまり、乱れている。
「……いただきます」
その後、森の中に聞こえてはいけない声が響いていたのは、言うまでもない。
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