one and only

お題をお借りしてきちゃいました。
でも直感で書いてるので、せっかくのお題を台無しにしてる気もしますが…

それでも当分お題を消化していきたいと思いますｗ

配布元：群青三メートル手前


お題は10個です！1つずつ頑張ります！



無言で部屋に入り、未だにベッドに居る馬鹿を軽く揺さぶる。
「ほら、もう起きろ」
「ん……んー」
迷惑そうな顔をして布団に潜り込まれた。
「だから起きろっつーの！」
バシッと寝てる馬鹿の頭を強く叩いた。
「いった！な、何すんだよ！」
「何すんだよじゃねーよ！早く起きろっつってんだよ！」
「…今日日曜日じゃん」
「馬鹿野郎。日曜日だからって昼過ぎまで寝る奴が居るか」
「いやでも寝たの3時だし」
「知るか阿呆」
ああ言えばこう言う馬鹿に溜息が出た。本当に疲れる。
何でこんな奴が俺の幼馴染なのだろうかと無駄な事を考えてしまう。
「とりあえず着替えろ」
「え？何で？」
俺のいきなりの提案に驚いた声を出された。
「出かけるからに決まってるだろ？せっかくの休日だし」
「……めんどくさ」
「何か言ったか？」
「いえ、何も」
そう言いながら動かない馬鹿に俺は少しイラッとした。
「早く着替えれば？」
「…じゃあ服取って」
「は？」
「動くのめんどくさいからさ、適当に何か取ってよ」
「…」
何様だこいつ、と小さく呟いてから俺はクローゼットを開けた。
もう長い間通ってる空間だ。中に何が入ってるかも大体分かってる。
俺は適当に見繕って投げ渡した。
「ほら、これで良いだろ」
「さんきゅー。じゃあ……着替えさせて？」
「…ふざけた事を言う口はこの口かこの野郎…！」
指で両頬をぎゅーと摘まんでアヒルみたいな口にしてやった。
「りゃって、へんろくふぁいんらほん」
「めんどくさくねーよそれくらい。…何？本気で言ってんのか？」
「ん」
当たり前のように頷くこいつが憎たらしい。こういう所は昔から変わってない。
「……わーったよ」
溜息混じりに承諾して、服を脱がし始める。
こんな図を親が見たら何て言うんだろうかと馬鹿な事を考えながら。
「…雑な着替えさせ方」
ゴンッと鈍い音を立てて殴った。
「誰が好き好んで他人の着替えなんかしてやるか！」
「…じゃぁ何でしてくれてんの？」
「あ？そ、それは…」
「それは？」
「………う、うるせ！」
上半身裸の奴は黙ってろと叫べば、裸にしたのはお前だろと言われた。
そんな人聞きの悪いこと言うな！俺はまだそこまで堕ちてない！
そう誰かに言い訳しながら着替えを完了させた。こいつ……普通ズボンまでやらせるか？
「…普通はここまでしないよねー」
「は？」
「他人の着替えを、普通だったらここまで着替えさせないよね」
「……俺は普通じゃねぇから」
「え？何？」
「…何でもねーよ！」
「何だよーツンデレかよー」
「誰がツンデレだ！」
「あはははは！」
本当にこいつは憎たらしい。憎たらしすぎて殴りたくなる。
こんなに強い感情抱くのはこいつに対してだけだ。他の奴には思わない。
まして着替えなんか絶対に手伝わない。
「…お前だけなんだからな」
俺の小さい呟きがよく聞こえなかったのだろう。何か言った？と訊いてくる。
何でもねーよ、と言いながら馬鹿の頭をくしゃくしゃと撫で回す。

……本当に、この天然野郎には困らされる。



one and only
（だれよりも愛する人、本当にいとしい人）



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うん、ちょっとほのぼのしたイチャつきを書きたかったんです。
それだけなんです←