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腐女子街道を歩み始めた蒼井の戯言帳。 日常や物語などを気ままに更新中。
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俺はお前を許さない





そう言われたのは何年前だったっけ……もう、覚えてない。
「お前……何を考えてやがる、この状況で」

"この状況"…?

あぁ…俺、今こいつに殺されかけてんだ。地面に押し倒されて、首には刃物を当てられて……
「ふっ…」
「何が可笑しい!」
「いや別に」
「ふざけるな…!俺が少し力を入れればお前なんて…!」
そう言ってるこいつの手は小刻みに震えていた。そりゃそうだろう。人を殺すにはかなりの決意と勇気が必要だ。それを必要としないのは殺人鬼か快楽主義者くらいだろう。
「……お前、俺が憎いか?」
俺の問いかけに目の前のこいつは目を見開いた。
「当たり前だ!!」
「俺を殺したいか?」
「ああ、ズタズタに引き裂いてやりたいよ」
「……なるほどね」
「な、何が言いたい!」
「分からないのか?…まぁ分かる訳ないよな」
「っ!」
俺の発言が気に障ったのだろう。押し付けられた刃が少しだけ肉に食い込んだ。
「…もっと力を入れたらどうだ?そしたら俺は死ぬぞ?それが望みなら躊躇する必要は無いはずだ」
「うるさい!」
「…だけどお前が俺を殺したら、お前は俺と同じになる」
その言葉に刃が少し離れる。
「だってそうだろう?俺はお前の親を殺した。そしてお前が俺を殺したら……お前も俺と同じ人殺しだ」
「ち、違う!」
「違わない。お前は自ら俺と同じ道を歩もうとしている」
俺は力が弱くなった目の前の奴の腕を掴んだ。
「……」
そのまま首から刃を離したが抵抗はなかった。そして奴の手から刃が落ちていく。
「お前はそうなりたくないはずだ。いや、なってはいけない」
「……」
「俺と同じになるな」
「でも…俺はお前を殺すためだけに…」
「…俺が憎いんだろう?だったら憎め。憎み続けて生きていけば良いんだ」
「な、何を…」
「憎んで憎んで憎み続けて、心が俺で埋まってしまえば良い」
「…っ」
この言葉はコイツを苦しめるだろう。だけどこれが俺の望み。お前が俺を求めてくれるなら、俺は幾つでも罪を犯してやろう。





seven deadly sins
(7つの大罪)



---------------



愛情の形は人それぞれ。歪んでても重くても愛なんです。

……ごめん、後付けです←

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蒼井 澪
性別:
女性
自己紹介:
●誕生日●
 2月18日

●星座●
 みずがめ座

●血液型●
 O型

●趣味●
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 ギター
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 小説書き
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