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またまた
らぶれす
「あ、皮膚が赤くなった」
やばーい、これは痛いんじゃね?とか言ってたら、瑶二が呆れたような顔で近づいてきた。
「馬鹿だな奈津生は」
えー、心配の言葉無しかよ。
「うーん…気をつけてたんだけどなー」
「見せてみろよ」
「ん」
赤くなった腕を見せた。
「うわー真っ赤じゃん。何これ火傷?」
「うん、熱湯溢した」
「どれくらいの?」
「湯気出てたから100℃じゃない?」
「って言われてもなー」
「なー。俺らには分かんない」
「うん」
瑶二は俺の赤くなった部分を撫で始めた。
…何となく"痛み"が無くなる気がした。
「………奈津生?」
「え、何」
「いや、これは草灯に手当てしてもらった方がいいと思うって言ったんだけど…」
「あ、あー…そうだね。うん、そうしよう」
ニコッと笑ってみたけど、瑶二は眉間に皺を寄せたままだった。
「奈津生、何かあった?」
「え?」
何もないけど?と返しても瑶二の表情は変わらなかった。
「瑶二、本当何もないから」
「……そ。とりあえず氷持ってくるわ」
「あ、うん」
台所へ消えてく瑶二。
長いサラサラの髪が揺れていた。
「……はい、氷。冷やしといた方が良いと思うから」
「ん、ありがとう」
受け取った氷には何も感じられなかったけど、きっと冷えてるんだと思う。
「……」
「……」
瑶二は黙ったまま雑誌を手に取って読み始めた。
俺は片手が塞がってて読めないというのに。この薄情者め。
「……瑶二」
「……………ん?」
反応遅っ!
「……本当は瑶二が何かあんじゃないの?」
「……」
「図星?」
「……」
「何。言ってみなよ。草灯?立夏?それとも……渚先生?」
「…っ」
渚先生か…
「……俺たちさ」
瑶二が口を開いた。
「渚先生に捨てられたっぽいじゃん」
「……」
「前はそれがツラかったんだけど、今はそうでもないんだよ。草灯は敵だし嫌な奴だけど此処は変に居心地良いし。立夏もキオも良い奴だったから尚更な」
「うん」
「…俺、どうしたんだろ。前は奈津生が居て渚先生が居れば良かった。けど、今はそれだけじゃ嫌かもって思い始めた…」
「苦しい?」
「分かんない」
「でも苦しそう。変なの。俺ら苦しみなんて感じないはずなのに」
「確かに」
あはは、と二人で笑った。
そして俺は瑶二の手を握った。
「奈津生?」
「……大丈夫」
「え?」
「瑶二は一人じゃないよ。俺が居る。俺らは二人だ。何も怖くない」
暗示をかけるように言った。
「だから怖くなったら、こうやって手繋ごうよ」
俺がそう言うと、瑶二はフッと笑った。
「うん。二人なら怖くない」
そう。怖くなんかない。
だって俺らは繋がっているんだから…
この気持ち、草灯と立夏の間にもあるのかな。名前が違っても俺らと一緒だったら…
それってかなり強い繋がりだよな。
……ま、どうでも良いや。
「……瑶二、ご飯食べようよ。お腹減った」
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自己満だけど、この二人可愛いから好き。
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