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腐女子街道を歩み始めた蒼井の戯言帳。 日常や物語などを気ままに更新中。
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らぶれす 





「立夏どうしたの?」
「……別に」
「別にって…」

そんなに尻尾に力を入れて、別には無いでしょ。本当に立夏は素直じゃないんだから…

「…んだよ」

ムスッとした顔で言う立夏。
少し赤くなってる頬が可愛らしい。

「訊きたいのはコッチなんだけどなー」
「…何を」
「立夏が拗ねてる理由」
「拗ねて、ない!」
「そう?」

俺は笑って立夏の上の耳を触った。
ビクッと反応されたけど、特に何も言われなかった。

…うーん、これはこれで寂しいな。

「立夏、命令して」
「は?!」

何言ってんだ馬鹿!と叫ぶ立夏の口に指を押し当てて黙らせた。

「最近全然命令してくれないからさ」
「俺は!命令すんのが嫌いなの!」
「でも立夏は俺のご主人様だから」
「……」
「飼い犬は、主人の命令が無いと何も出来ないんだよ」
「でも草灯が要求する命令は嫌だ」
「俺が要求する命令?」

少し考えた後、立夏の言ってる意味が分かった。

「ああ、傷をつけてほしいとか?」
「それ!それが嫌だ!」
「どうして?」
「俺は、人を傷付けるのが嫌なの!」
「それは立夏の意見でしょ?」

でも、それじゃ意味無いんだよ。

そう言うと、立夏は黙ってしまった。

「立夏は俺を支配しなきゃいけない。心も体も全部、ね。俺は立夏のために存在している。立夏が死んだら俺も死ぬ」
「それは…清明が言ったからだろ」
「うん。清明の命令は絶対だから」
「清明と俺は違うよ」
「知ってる。立夏と清明は違いすぎる。似てる所なんて黒髪くらいだよ」
「……」
「清明は立夏みたいに小さくないし可愛くない。柔らかくもないよ」
「そりゃ清明は大人だから…」
「オトナじゃないけどね」
「…草灯はオトナだもんな」
「おかげさまで」
「……」

あらら、不機嫌そうな顔。そんな顔するのは反則だよね。

「立夏」
「…何」
「何か訊きたいことあるの?」
「………いつオトナになったの」
「…昔だよ。ずっと昔。清明に会う前」
「ふーん…」
「今更だけどさ、立夏とオトナになりたかったかも」
「は?!」
「別に後悔してる訳じゃないけど、立夏とオトナになった方が良かったかもって思う」
「ば、バッカじゃねーの?!」
「うん。ごめん。でもさ、」

立夏が俺の知らない人でオトナになるのは嫌だなー…

そう言った時の立夏の反応…
当分忘れられないかも。

「もう草灯になんかと話さない!」
「えー冷たい」
「うるさい!!話さないもんは話さない!!出てけ!」
「……仰せの通りに」

立ち上がってベランダに出た。そしてそのまま降りようとした。

「そ、草灯!」
「ん?」
「今日は出てけって言ったけど、あ、明日にはまた来い!良いな?!」
「………良いの?」
「いちいち訊くな!」
「…立夏、ありがとう。大好き」
「うるさい!早く帰れ!」
「うん。またね」

ベランダから降りると、すぐに窓は閉められてカーテンも閉められた。

可愛いね、立夏。

でも、やっぱりまだダメだよ。
ちゃんと俺を支配してくれなくちゃ。俺の全てを。





……さぁ、調教開始だ。

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