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「…ごめん」
静まり返った部屋で響いた言葉は謝罪だった。
「何で謝る訳?」
「…ごめん」
「だから謝んなって言ってんだろ!」
「ごめん」
何を言っても同じ言葉しか返ってこないことは、こんなにも屈辱的なのかと初めて知った。
「…お前さ」
話し出す俺に、自分を抑えようとする理性は存在していなかった。
あるのは、単純な苛立ち。
「俺を馬鹿にしてんだろ」
「……」
「なに、図星なんだ?」
もう何も考えられない。
考えたくもない。
「…ざけんなよ」
そう言って、俺は思いっきり殴った。
容赦なんかする気もなかった。
とにかく悔しかったのだ。
「やり返しても来ないのかよ」
俺ばかりが求めてるみたいで。
「痛かったら俺を殴れよ」
俺ばかりすがっているみたいで。
「俺に歯向かってみろよ」
俺は誰にも愛されてないように思えて。
「……何で文句も言わないんだよ」
悔しかったのだ。
いや
「言う価値もないのかよ…!」
寂しかったのだ。
「……ごめん」
「謝罪なんか、要らない」
「……」
「そんなものが欲しいんじゃない」
俺は…
「俺は…」
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