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「貴方はいつも素顔を見せてはくれないのね」
そう女は呟いた。
「…俺はいつも素だよ」
俺は言ったが、女は静かに首を振った。
「私の前に居る貴方は、いつも偽りの貴方よ」
「でも君はその俺を好きになった」
「えぇ、皮肉なことにね」
「そんな俺は嫌い?」
「いいえ大好きよ。憎らしいほど愛してる。だけど寂しがってる私が居るのも事実よ」
「君が寂しがってる?」
女は頷いた。
「きっと私の心が貴方を求めてる」
「……そうかな?」
その言葉に、女は感情の無い目で俺を見た。
「君はいつも俺なんか求めちゃいない」
「そんなことないわ」
「いや、君は誰だって良いんだ。隣に居てくれる人なら誰でも」
「…」
「君は、いつだって自分に素直だ」
「……そう、かもしれないわ」
「でも俺はそんな君が好きだ」
「私はこんな自分嫌い」
「君の意見は聞いていない。俺が好きならそれで良い」
俺は女を抱きしめた。
「だけど、俺の愛は君にだけじゃない」
冷たい熱
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偽りばかりな男と素直すぎる女の話。
女は自分の欲求不満を埋めたいだけで、男は自分の気持ちを分かるのが怖いだけ、だから誰も愛さない。
そんなことあってほしくないけど、実際ありますよね。だから人間って難しいんだと思います。
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