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「……なぁ」
ふと、隣に居る女に話しかけた。
「……何よ」
「…何で俺の想いは届かないのかね」
「…知らないわ。アンタのアピールが足りないんじゃない?」
「そうか?結構アピールしてるつもりなんだけど」
「アンタにとっては、ね。他からしたらそうでも無いわ」
「まじですか」
「モチのロンよ」
「古い」
「殴るわよ」
「すみませんでした」
――…また沈黙。
不思議と嫌な感じはしない。
だけど求めてるものも人も違うのだ。本当に欲しいものは、案外手に入らない。
「……告白、しないの?」
急な質問にも何故か特に動揺せず、俺は淡々と答える。
「告白は……どうかな」
「ハッキリしないわね」
「うん」
「…しちゃえば良いのに」
「そんな簡単な問題じゃねぇの。数学みたいに数字当てはめれば良いってもんじゃない」
「あら、数学だって案外複雑よ?例えば二次関数だっt」
「分かった分かった。数学の話はするな、頭痛くなる」
「…文系の頭は弱いのね」
「理系の頭は堅いけどな」
「理論的と言いなさい」
「屁理屈の間違いだろ」
「……今度アンタの教科書を数式で埋め尽くしてやる」
「じ、地味な苛めを…!」
…こんな会話もコイツとなら普通に出来る。なのにアイツの前だと普通にいかねぇんだ。…我ながらヘタレだと思う。
――…ただ気持ちを伝えたいだけなのに、何で言葉が出てこねぇんだろ…
「…しちゃいなさいよ、告白」
「ぇ…?」
「やらないで後悔するなら、やって後悔した方が良いじゃない」
「いや…そんな損得勘定で考えられない…」
「何で?単純じゃない。人間は意思、気持ちを伝えるために言葉を発明したのよ?だったら言葉で伝えなさいよ」
「……」
「いつまでも相手がフリーだなんて保証も無いのよ?」
「……」
「だったら当たって砕けなさい。アンタの言葉でアンタの気持ちをぶつけて…それがダメだったら、慰めてあげるわ」
そう言った時の顔は凄くカッコ良くて…一瞬だけ惚れそうになってしまった。
「……お前は、気持ち伝えたことあんの?」
「……無いわ」
「は…?」
「私は無いわ。どうせ届かないもの」
「そんなの分からないじゃないか」
「……そうね。なら伝えるわ。……好きよ」
「……」
「アンタが好きよ私は。こんな相談を受けてしまうくらいには」
「……ありがと」
「どういたしまして。…想いは届いたかしら」
「…あぁ届いたよ。俺もお前くらい男らしかったら良かったな」
「アンタじゃ無理よ。私に好かれるくらいだもの」
「さいですか。…でも俺もお前のこと好きだぞ」
「あら、嬉しい。何番目くらいに好きなのかしら」
「そうだなぁ……犬の次くらいかな」
「アンタ、犬が大嫌いじゃない」
「お、よくご存知で」
こんな会話しても、不思議と居心地が悪い空気にはならなかった。
「……やっぱりこういうのは男女で、だよな」
「急に何?」
「いや…男女だったら胸張って言えるのになぁって…」
「そんなこと無いわ。誰かを好きになるのは素晴らしいことよ?誇りに思うべきだわ」
「……なるほどな」
コイツが言うと説得力がある。
「――…じゃぁ、玉砕でもしてくるかな」
「あら、玉砕決定なの?」
「可能性は高いな」
「意外と分からないものよ。頑張って」
「あぁ、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
そして俺は立ち上がって歩き出した。そのまま去ろうと思ったが、なんとなく振り返り、一言だけ言ってやった。
「……お前の彼女にも宜しくな」
「えぇ、伝えとくわ」
そうして俺達は微笑みあい、俺は歩き出した。
心
(I'll give you my heart)
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ブログ新しくしてから男女の絡みは初めてな気がする
というか女子をほとんど書かないから当たり前かw
でもこういう女の子は好きですw
…私もこうなりたい←
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