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―…浮気をされた。
「だから……それは勘違いだっつーの」
「勘違いじゃない。俺はこの目で見たんだ」
そう言うと目の前で溜め息をつかれた。ムカつく。
「…見たって、いつ?」
「先週の木曜日」
「何時頃?」
「覚えてない。けど夕方くらいだった」
「先週の木曜日の夕方くらい、ねぇ…」
首を傾けながら考えてる。ああヤバい可愛い。俺の好きな仕草
「見たの何処?」
「学校」
「校舎内?外?」
「外。駐輪場の所だから」
「……」
まだ思い出さないのか……段々イライラしてきた。
「なぁ…誰と居たのを見たんだ?」
「…………可愛い、女の子」
「…女子?」
俺は小さく頷いた。
仲良く話していた2人は、きっと周りから見たらカップルのようだっただろう。それくらい2人だけの世界って感じだったから……だから、つらい。
「あ」
急に間抜けな声が聞こえた。
「思い…出した?」
「あぁバッチリだ」
ニカッと笑う顔に俺の体が反応して熱くなる。
「お前、それはやっぱり勘違いだ」
「……!そんな訳ない!」
「落ち着けって。あれはお前が思ってるようなことじゃない」
「だって……凄く仲良く話してて…楽しそうだったもん……」
「だから…」
いきなり抱きしめられた……強い力で。
「あれはな、アイツの彼氏の惚気話を聞いてただけなんだよ」
「……………は?」
「アイツは去年同じクラスで、その時に片思いしててさ。俺が手伝ったおかげでこの間付き合い始めたんだよ。それが嬉しくて俺に自慢してきた訳」
「でもそんなのお前じゃなくたって…!」
「そ、それは…」
「?」
「………俺が、前からよく惚気話をしてたから…」
「…誰の?」
「お前とのしか無いだろ?」
「――っ!」
抱きしめてくる力が強くなった。
「だからお返しとばかりに自慢してくるんだよ。アイツ馬鹿だから」
「俺のことを…話したの?」
「話した。"泣き虫で疑い深いんだけど、俺をめっちゃ好きでいてくれる可愛い奴"って」
「――馬鹿…」
勝手に涙が出てきた。
「ほら、すぐ泣く」
指で涙を拭かれた。
何だか恥ずかしくて顔を直視出来なかった。馬鹿馬鹿馬鹿。
「馬鹿」
「はいはい」
小さい笑い声が聞こえた。腹立つ。けど……怒りたいとは思わなかった。
何故かは分からないけど……
でも、悪い気分ではなかった。
five W's
(情報に不可欠な5つのW)
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不安を他人にぶつけるのは怖いし難しいけど、それこそ共有していくべきだと思うんです。
……なんか甘々すぎて自分乙←
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