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腐女子街道を歩み始めた蒼井の戯言帳。 日常や物語などを気ままに更新中。
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「俺らって付き合ってどれくらい経つ?」
「うーん…5ヶ月くらい?」
「もうすぐ半年かー」
「…うん」

え、そこで黙るの?
いやいや何かあるでしょ何か。

「……進展無いね、俺ら」

言わないから言ってやった。
お、凄いスピードで顔が赤くなってく。面白い。

「お、おま…そんなこと…」
「そんなことって何だよ失礼な。だって付き合ってるのに何も無かったら友達と一緒じゃん」
「ん……」

眉が八の字になるのが可愛い。
けど今日は無視。

「俺だって好きだから付き合ってんだよ?だったら恋人として次のステップにーだなんて考えるのは普通だろ?」
「むむ…」
「いや、別に俺から行っても良かったんだけど…何て言うか……俺は彼女体質な訳よ。だからお前から来てほしかった」
「むむむ…」
「……なーんて、ちょっと愚痴ってみたり」

冗談だから忘れて、なんて敢えて言ってみる。
その言い方するとコイツが凄い気にするのを知ってて。

すると、モゴモゴとしながらも口を開いてくれた。





「……じゃぁ今行ってみても良いですか」





カァァっと音が聞こえそうなくらい急激に赤くなる顔。

「……え、今?」

多分、俺も同じくらい赤くなってる…

「うん…ダメ…?」

潤んで真っ直ぐ見てくる瞳に心臓が馬鹿みたいに高なった。
俺が希望してたのはもっと強気なのだったのに……何でこんなドキドキしてんだよ!落ち着け俺の心臓!

「……わ、わかったよ」

震えた声が俺の口から漏れる。
緊張が伝わったのか、目の前の馬鹿は動かない。
よく見れば手が小さく震えていた。
でも、俺の手も震えてるのが何となく分かってしまった。

……なんだ、結局は一緒かよ。

「…なぁ」

俺の声にビクッと反応し、弱気な目で俺を見た。
まるでご馳走を目の前に待てをされてる犬のような目。

「やっぱり……俺から行っても良い?」
「え、何で…?」
「いや、なんとなく…」

そう言いながら、俺は相手の肩に手を置いた。

「彼氏の立場も悪くないかな、なーんて…な」

その時の驚いた表情と言ったら…
本当に愛らしかった。


「やっぱお前が彼女だわ」


文句を言おうとした馬鹿の口を俺は静かに塞いだ。







先手必勝
(やられる前にやった方が選択権を持てるのかもしれない、なーんて思った高2の秋だった)

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蒼井 澪
性別:
女性
自己紹介:
●誕生日●
 2月18日

●星座●
 みずがめ座

●血液型●
 O型

●趣味●
 パソコン
 ギター
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 小説書き
 音楽鑑賞
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