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貴方は昔からそうだった。いつも私を見下していた。
そんな貴方が大嫌いで
そんな貴方が大好きで
そんな貴方が憎かった
私はいつも籠の中。外の世界へ出ることを許して貰えなかった。鈍く輝く鉛色の鎖が籠を締め付けて、扉はその存在価値を無くしてしまった。
しかしある日、外に出る赦しを得ることが出来た。久しぶりの外の世界。嗚呼、気持ちいい。身体が軽く感じる。
「さぁ…こっちにおいで」
妖艶な声に振り向けば、そこには人には得られぬ美を持った人が居た。なんて美しくて、なんて艶めかしいのだろうか。人間が幾ら望んでも手に入らないその美貌……誰もが一瞬でその瞳に囚われ、吸い込まれ、永久の捕虜になってしまいそう。
そして私は歩き出す。1歩ずつ足を前に出す度に響く、ジャラ…ジャラ…という音。私の足首に絡み付く鎖はまるで鉛のように重くて、羽のように軽かった。嗚呼、今目の前に居る貴方が恋しい。貴方が欲しい。
「いらっしゃい、お嬢さん」
辿り着いた私に降り注ぐ言葉は賛美歌……いいえ、まるで鎮魂歌のよう。鼓膜だけでは足りず魂までをも揺らす音色だった。
貴方が欲しくて堪らない…全身が貴方を求めている。自然と濡れた瞳が、その美しい瞳と視線がぶつかった。
そのままゆっくりと近づいてくる貴方の顔はとても冷たい……屍みたいな身体。
甘くて身体が溶けてしまいそうな濃厚な接吻に私の体温は上がっていく。まるで娼婦のように簡単に身体を捧げてしまう私を優しい眼差しで見てくる貴方は一体何者なの…?
そんな2人を見ているのは黄金に輝く月が1つだけ……ただ静かに月が祝福しているみたい。
私の、哀れなる最期の瞬間を…
不滅スパイラル
そして貴方は次なる蝶を探しに旅に出る。しかし捕まるのは蛾ばかりなのだ。
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何故かスムーズに書けた(^o^)
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