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お題物語第3弾!
順番通りに書きたかったけど、変えちゃいました←
意外と難しいお題を選んでしまったかもしれない…!
――何時からだっただろう。身体の異変を感じ始めたのは……もう随分昔のことで忘れてしまった。でもそれは当たり前だ。もう自分の歳すら正確に把握していないのだから。
…嗚呼、もうすぐ時間だ。またあの時間が始まってしまうのか。カチ、カチ、とリズムを刻む大時計の針が部屋中に響いていた。
……熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い…!喉がとてつもなく熱い!焼けてしまいそう苦しい苦しい助けて…!誰か…誰でも良い!誰か、誰か助けて…!
「そこまでして何故、貴方は運命に背くのですか」
突如聴こえた少女の声。それを聴いた瞬間に、喉が爛れてしまいそうだった熱が無くなった。しかしいきなり入ってきた空気の所為で激しく噎せてしまった。咳が止まらない。けどさっきまでの苦しみに比べれば楽なものだった。
「君は…?」
俺の問いかけに少女は答えなかった。つまりはさっきの質問に答えろという事なのだろうか。そう目で問えば、少女は小さく頷いた。
「俺は……どんな罰を受けようが、絶対に生き方を変えない」
「何故ですか?」
「あんな運命に従って生きるまで俺は生きたくない!」
「でも貴方は死ねない」
ただ苦しむだけ…と少女は言った。全く表情を変えずに淡々と話す少女にうっすらと恐怖すら感じてくる。
「知ってる…ただ苦しいだけで死ねないことくらい……けど俺はそれでも運命を変えたいんだ」
「どうして…?」
「?」
「どうして1人で背負いこもうとするのですか?他人を利用しても良いのではないですか?それが貴方達でしょう?」
「あぁそうだよ。それが俺達だ……でも俺はもう嫌なんだ。他人を利用して敵に回るような感じは…」
「貴方達は敵ではありませんよ」
初めて少女の感情が垣間見えた。
「私達と貴方達は敵ではありません。ただ同じ世界に生まれた隣人のようなもの……良き理解者でもあるのです。貴方が運命に従っても誰も貴方を責めません。だから…だから苦しまないで…」
少女は少しだけ眉をひそめた。
「…大丈夫」
俺はしっかりとした口調で少女に言った。
「俺は大丈夫…だから心配しないで良い。俺は出来損ないなんだ、だから普通の生き方は出来ない。それは…君も、同じだろう?」
俺の言葉に少女の瞳から涙が静かに一滴流れた。その涙は頬から落ちたが……それが地面に落ちるのを見ることはなかった。
涙で視界がぼやけている少女の瞳が捉えたものは
真っ白で綺麗な灰だけだった
four flush
(ポーカーで不完全なフラッシュ)
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抽象的に書いてみたかっただけです。伝われば幸いです
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