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「草灯!」
「ん?どうしたの立夏」
「歩くの速い!もっと遅くしろ!」
「あ、ごめんね」
ニコリと笑みを浮かべて、草灯は足を止めた。それを見て、俺は余計にイライラした。身長が違うんだから歩く速さが違うのは当然だ。それくらい分かれよ"大人"のくせに…
「立夏?」
「……何」
「はい」
そう言って草灯は手を差し出してきた。
…何、これ。
顔に出ていたのか草灯がクスッと笑った。何で笑うんだと言えば、
「立夏はまだまだ子どもだなって思っただけ」
と言われた。
草灯はいつもそうだ。俺を子ども扱いして…何なんだよ、草灯の馬鹿…
「立夏、怒っちゃった?」
「……」
草灯の手が戻って行く。
「立夏ー」
「……何」
「ほら、手」
そして草灯がまた手を差し出す。俺は黙って草灯の手を見つめた。
まだ、意味が分からなかった。
「立夏」
草灯の優しい声が鼓膜を揺らす。
「手繋ご?」
「……ぁ」
そういうことだったのか…
「俺と繋ぐの嫌?」
「…ううん」
俺は草灯の手を握った。
「別に嫌じゃない」
そう言ったら草灯は少し嬉しそうだった。
…きっと、"立夏"もこの瞬間に喜びを感じるんだろうなー…
そんなこと思っても俺にはよく分からないけど…俺は"立夏"じゃないし。
「立夏、好きだよ」
「…っ」
「好きだよ」
「な、何回も言う、な…!」
「だって好きだから。立夏が好きだから言うんだよ」
「……」
「俺は、立夏の物だから」
「物なんかじゃ…っ」
「立夏」
草灯が俺の言葉を遮った。
「立夏、いつか絶対…俺を抱いて?」
「え…?」
そして草灯は歩き出した。繋がっているから俺は引っ張られてしまう。
「そ、草灯…?」
「俺は立夏に抱かれたい」
「……それは」
清明の命令なのか?
そう静かに訊いた。
「違うよ」
草灯は答える。
「これは俺の意志。俺が立夏に抱かれたい」
「…そか」
「うん」
「けど、この間抱いたじゃんか」
「え?」
「1週間くらい前にギュッとさ」
「……ああ、あれね」
そう言うと草灯はまたクスクス笑った。
「確かに抱いてくれたね、ギュッと」
「だろ?」
「うん。でも俺が言ったのは…」
「?」
「…いや、何でもないよ」
立夏は…
やっぱりまだまだ"子ども"だね。
child
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昔にも似たようなものを書いてたんですがデータが消えたのでリメイクしました。
でも昔のはもう少し話が進んでましたが…まぁそこはドンマイで←
今まで一気に書きすぎた所為か、ネタ不足+スランプ気味です…おわた…
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