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ちょい長いので気力ある方だけ。意味わからん感じです←
疲れきった体を無理やり移動させながら、ゆっくりと家の前まで辿り着かせようと頑張るが、いつもより家が遠く感じる……こんなに時間かかったか?と思うくらいだ。
そうブツブツと愚痴を言いながら歩いていたら、やっと家の前だった。俺は重たい腕を動かして鍵を開ける。ガチャンという音が静かなマンションの廊下に響く。
「…ただいまー」
溜め息をつきながらドアを開ける。もう俺の心のオアシスは1つ、いや1人だよ。たまに先に寝ててショックだけど寝顔が見れれば満足だ。
「あ、おかえり」
そう、だからお迎えが可愛いエプロン姿でさえ……
「ぇ…?」
「ん?どうした?」
「ぇぇぇえええぇえぇぇええええっ!!!!」
「大声出すな!ご近所迷惑だろーが!」
「ぇ、ぁ……すみません」
……いやいや何で謝ってんの俺。叫びの元凶は目の前のコイツなのに何謝ってんの。
「お前……そのエプロン…」
「エプロン?お前が買ってきたやつだろ?」
「いや、お前それ買っても絶対着ないとか言ってたじゃん…」
ピンクの生地に可愛らしいフリルが沢山付いてるエプロンだ。これを付けてお出迎えしてくれるのが俺の夢だったが…
「俺のために付けてくれたの?」
ちょっと攻めてみた。
「お、お前ためとかじゃなくて……お金が勿体無いから付けただけだ!」
むしろ攻められました。いや、デレられました。
「でもそれ付けて待っててくれたんでしょ?俺に見せるために」
「んな訳あるか!…たまたま家事が終わらなくて付けてただけで!偶然だ!」
「ありがとう!お前本当可愛い!」
俺は抱きついた。
「おま…話を聞け!」
「いやいや言いたいことは分かったから」
「何がだ!」
「これで新婚さんプレイするんだろ?ほら言ってみ。『あなた、ご飯にする?お風呂にする?それとも…俺?』って」
「誰が言うか!」
「んもー恥ずかしがっちゃって☆」
「黙れ!星付けるな!」
「お前が黙れよ、ムード台無しになるだろ?」
俺は唇で塞いで黙らせた。あっさり抵抗しなくなった様子を見て、俺は興奮気味だった。これはエプロン効果かもしれない。
「……なぁ」
急に出す甘い声にドキッとしながらも平静を装って、何?と訊いた。
「………また、エプロン付けてやるよ」
「え!」
「今日使ってたエプロン汚しちゃったから付けるだけだぞ!」
「分かってる分かってる!」
嗚呼、今自分がニヤニヤしてるのが分かる…
「起きろやテメー!!!!」
ドンッとベッドから落ちた。いや、落とされたらしい。そしてベッドの脇に立っているのは般若……ではなく恋人だった。とてつもないオーラを放っているが…
「あれ、お前…エプロンは?」
「は?何の話だよ」
「フリフリのエプロンは…」
「何言ってんだ気持ち悪い」
「……夢オチかよぉぉぉおおぉおぉぉおおおっ!!!!」
「うるせー!お前がニヤニヤニヤニヤしてるし変な寝言は言うしで寝れねーんだよ!」
「そんなぁ…俺のエプロン…デレが…」
「良いから早く寝ろ!」
「……」
「お前がちゃんと寝ないと俺も寝れねーんだからな!」
「え、それどういう…」
「…っ」
「俺のこと、心配してくれてんの?」
「うるさい…!もう早く寝ろよ!」
「はーい」
俺はニヤける顔を必死に隠そうと無駄な努力をしながら布団に潜り込んだ。そしてその後から入ってくるもう1つの存在に嬉しくなりながらも、少しだけ寂しい気もした。
「……今度エプロン買ってきたら着てくれるか?」
俺のそんな唐突な質問にも、無愛想な顔で
「お前が俺に勝てたらな」
と言われた。
「それは…難しいな」
そうして俺達は眠りに落ちた。
Truth
どっちの世界が本物かなんてどうでも良い。お前が本物なら何も関係ないんだから。
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