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腐女子街道を歩み始めた蒼井の戯言帳。 日常や物語などを気ままに更新中。
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ひな祭り。
女の子の成長を祝う日である。

「そう、女の子の日ですよね…?」

周りを見渡せばひな人形が豪華に飾られており、あられや甘酒がこれでもかと用意されていた。そんな状況にいるが、もちろん私は

「男子でございますよ?…信長様?」

見つめる先には凛とした美しいお顔。自分の意志を曲げずに突き進んできた人生が顔に出てきている。
信長様は微笑む。

「蘭丸はひな祭りが嫌いか?」
「い、いえ!決してそんなことは!」
「せっかくの行事だ。楽しめばいい」
「そうは言いましても…」

やはり女子の祭り。男子が踏み入っていいものか悩んでしまう。せめてこの場に女子がいればいいが、いるのは私と信長様のみ。
悩む私を、信長様は楽しそうに見てくる。その視線がなんだか居心地悪くなって私は視線を落とした。

「蘭丸よ、男女の差など下に付いているかいないかだけ。そんなに気にするな」
「はい…」
「私が蘭丸の性別を気にせず、蘭丸だから好いたように、目の前のことを楽しめばよい」
「はい………え?」

驚いた私は信長様を見た。そこにあったのは太陽のような暖かい笑顔。咄嗟のことに私の顔が熱くなったのがわかった。
信長様の手が私の頬に触れる。温かい手。心の氷を溶かすような温かさ。私は目を閉じて信長様の手の温もりに集中した。
信長様は私の頬を擦りながら口を開く。

「蘭丸、お前は男子でも女子でもない。蘭丸だ。男子だから女子だからと考えなくてもいい。…お前も私が男だからでなく、この信長だから傍に居てくれるのであろう?」

私は目を開けて信長様を見た。
……そう、信長様が信長様だからこそお仕えしている。男なら良い訳ではない。私は信長様だからお側に居たいのだ。

私はゆっくりと頷いた。

信長様は微笑む。まるで赤子を見るようなお顔。

「蘭丸、ひな祭りを楽しみなさい」
「…はい」
「……………ふふっ」
「え?」

信長様は目を輝かせて言う。

「せっかくだから、ひな祭りらしくしようか」
「それはどういう…」
「実践して教えてあ・げ・る☆」

そう告げた信長様の手には…








「何でひなあられをお持ちなんですかーー!!!」

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「お前、まだそんなことやってたの?」

それが口から出た最初の言葉だった。
俺の言葉を聞いて眉をしかめる様子に少し狼狽えるも、俺は言葉を続ける。

「もうお前も30になるんだろ?いい加減やめろよ。………小説家なんて」

そう、こいつはまだ小説家なんていう夢を追っている。アホすぎる。そんなものコネがある奴が賞を取る。コネがないなら飛び抜けた才能がある奴が取る。その2択だ。

「お前の親も心配してた。妹もだ。周りを困らせてどうする?若くはないんだ、そろそろ将来を考えろ」

こんなこと本心から言っている訳じゃない。でも嘘ではない。本当に思っている。

「なぁ、頼むから考え直せって。お前には無理だ。家業を継いでやればあのお父さんも喜ぶ。親孝行してやれよ」

つらい。こいつの悲しそうな顔を見るのが。

「……………お前、もうすぐ父親になるんだろ?」

そう、俺はこいつの横に、傍にいれないのだ。だからこそこんなことを言う。

「…奥さんを、幸せにしてやれよ…」

俺が傍に居れていればこんなこと言わないのに…
絶対に諦めさせずに支え続けるのに…

「奥さんを愛してるんだろ?」

その問いに
こいつは

コクリ

と頷いた。


………愛って何なんだろうな。


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「さーて、今日も良い天気で何より!」

体を伸ばしながら太陽の光を浴びれば気分爽快だった。
冬の空は澄み切っていて綺麗だ。
遠くの景色さえ全て見渡せる気がする。

そんなことを考えているとインターホンが鳴った。

「はーい」

返事をしてドアを開ける。
目の前には女の子、というかお隣さん。

「どうかした?」

俺が訊くと、お隣さんはふわっと笑った。

「落し物ですよ」

そう言って差し出してきたのはハサミだった。
随分汚い子ども用のハサミ。
見覚えがない俺は「誰の?」と尋ねた。
すると「もちろん貴方のです」と言われた。

「見覚えがないんだけど…」
「そんなはずはないです」

お隣さんの顔から笑みが消えた。
瞳には俺が映っていた。
そしてお隣さんの口が開いた。

「だって、貴方はこれで人を殺したでしょう?」

お隣さんはまた優しい笑みを浮かべて続ける。

「この汚れに見覚えがないだなんてそんな馬鹿な。貴方が汚したくせに。どうして忘れたふりをするのですか?」

ハサミは赤黒く汚れていた。

「そんなんじゃ殺されたほうは堪ったものではありませんよ」

お隣さんがハサミを握るようにして持ち直す。
俺は声が出なかった。

「私の両親に謝ってください」

お隣さんが腕を振り上げ、ハサミが光を反射させた。
笑う。お隣さんは笑う。こんなときにも優しく笑う。

ハサミが迫ってくる。

「謝れば許してあげますから」

それが最期に聞いた言葉だった。












「となり」
(すべての人が、そこに住む理由を持っているんですよ)

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「はい、プレゼント」
「…えっ、今日誕生日じゃないよ?」
「バーカ、そんなの分かってるよ」
「じゃぁ何で」
「うるせーなー。良いから早く受けとれよ」
「…うん」
「早く開けろ」
「うん。…………ぇ」
「どう?」
「どうって…これ、俺が欲しかったやつ……え、何で知ってんの」
「お前が読んでる雑誌見たら、そのページの端が折られてたからさ。きっと欲しいんだろうなと」
「お前…」
「嬉しい?」
「……うん」
「そっか。お前が嬉しいなら俺も嬉しい」
「…可愛いこと言ってくれんね」
「元々可愛いからな」
「知ってる」
「あら、知られてたか」
「有名だかんね」
「さいですか」
「………大好き」
「それこそ知ってるんですけど」
「うん、改めて言いたくなっただけ」
「何で」
「言葉にしたくなる時もあんの」
「さいですか」
「さいですよ。…お前からは無いの?」
「な、何で俺から…」
「ギブアンドテイクって言うじゃん」
「……大嫌い」
「えっ」
「なんてな。嘘、好きだよ」
「んのヤロー」
「あはは、騙されるとか俺って信用無いね」
「信用って…そういう訳じゃ」
「分かってる分かってる。冗談だって」
「冗談キツいわ」
「ごめん」
「…良いよ別に。許す」
「ありがたき幸せです」
「うむ、苦しゅうないぞ」
「おま、調子乗んなよ」
「…………ごめん」





和み
(居るだけで安心出来る存在)

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雨が降っていた。
それだけは鮮明に覚えている。
とにかく酷い雨だった。
体に打ち付けられる粒は石のように痛くて、でもじんわりと俺の心を湿らせた。
「何でお前ばかり…!」
頭に響く女の声。
時間が経ってもこの声が消えることも、小さくなることもない。
これは一生続くのだろう。
――…呪縛。
この言葉がふさわしい。
「お前なんか…!」
優しい言葉なんて聞いたことない。
あるのは俺を罵倒する言葉ばかり。
人生なんてそんなものだと思ってた。
死ぬまでの暇潰しくらいにしか思ってなかった。

でも

そんな俺に、一筋の光が射し込んだんだ。





救いの光
(この話をしたらきっとお前は笑う気がする。…もしかしたら泣くかもしれない、なんて考えたら尚更言えない)





あるキャラの設定をメモ代わりに書いてみた。

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プロフィール
HN:
蒼井 澪
性別:
女性
自己紹介:
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 2月18日

●星座●
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●血液型●
 O型

●趣味●
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