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「ご主人様」
そうお呼び出来るのが…堪らなく、嬉しく感じるのは…執事として可笑しいのだろうか…。たまに不安になってしまう。
「…どうした?」
「もう昼食のお時間でございます」
私はポケットに入れてた懐中時計を見ながら告げた。
「…ああ、もうそんな時間か」
「お仕事ですか?」
「いや、仕事ではない」
「それでは一体…」
「うむ」
真剣な表情で、ご主人様は机に広げていた本を私に見せてくれた。
「っ、これは…」
……洋服についての、本…?
そう目で尋ねた。
「そう、これには世界中で人気の服が載っている。なかなか勉強になるな」
「しかしそれは女性用ですよ?…もしや、誰かいらっしゃるのですか?」
「いや、これはお前用だが?」
「……はい?」
思わず聞き返してしまった。
「だから、この本はお前のために見ているということだ」
「…あの、ご主人様」
「ん?」
「失礼ながら…私は一応男なのですが…」
「知ってるぞ?」
いや、絶対に分かってない…
「なのに何故そちらをご覧になっているのでしょう…?」
「うむ、良い質問だ」
そう言ってご主人様は、目を輝かせて宣言をする。
「この中からお前に似合う服を探そうと思ったのだ!」
嬉しいか?と目で問われても正直…
「嬉しくは…ない、かと…」
「む…」
「いえ!ご主人様の優しい心遣いには感無量です!けれど…女性用の服というのは…。確かに昔から女のようだと言われますが…」
「なら構わないだろう」
「いえ、しかし…」
「そんなに言うならこうしようではないか」
「?」
「―…命令だ」
「…っ」
「主人命令だ。従ってもらうぞ?」
「……はい」
そう言われたら反論は出来ない…
本当、どうしてご主人様は見た目はとても魅力溢れる男性なのに中身は子どもみたいなのか……私の所為なのでしょうか…
「お、これなんてどうだ?」
ご主人様が指差したところを見た。
「……ちょっと露出が、多い、かと…」
「そうか?」
「はい…」
「いや、私としてはこれくらいが…」
「ご、ご主人様…っ」
「…ん?」
「私のような、ただお仕えさせていただいてる使用人に、そのようなことはなさらなくても…あの、大丈夫です…」
「……」
「本当に申し訳ないと言いますか…」
「これは、私が勝手にしてることだ」
「ですが…」
「それに私からのお願いでもある」
「お願い…」
「ああ。私はお前の色んな一面を見てみたいのだ」
ご主人様はそう言って微笑んだ。
とても、とても綺麗な笑顔だった…
「ご主人様…」
「確かにお前は私の執事だ。だが、私にとっては違う」
「?」
「私は執事としてのお前ではなく、一人の人間としてのお前の一面を見ていたいのだ」
「……」
「…意味が分かるか?」
「なんとなく…」
何故そこまで仰ってくれるのかは分かりませんが…
そう言ったら苦笑されてしまった。
「今は…それで良い」
「え…」
「まだ分からなくて良い」
ご主人様は綺麗な表情で静かに言った。
「これからゆっくり教えてやる」
「…っ」
――…今の感情は、何なのでしょう…
分からないのは…私が未熟だから、だと思う、けれど…
「ご主人様…」
「お前は執事としては優秀だが、一人の男としてはまだまだだな」
「申し訳ございません…」
「いや、それを育てていくのも主の務めだからな」
ご主人様は紅茶を一口含んだ。
「これからに期待、だな」
私は、まだその意味を理解してなかった。
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俺様主と鈍感執事の話。
あんまり俺様感が出なかったけど。
これは機会があればリメイクとか話進めたりしたいなぁ…
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「お前ってさ、どんな味すんの?」
…………ぇ?
「いきなり…何?」
「別に。ただ気になったから」
いや、だからって味を気になることなんてあるのかよ…しかも興味の対象が人間…
「俺は、お前を食いたい」
「え、いや、それは勘弁、してよ…」
「何で?」
「何でって…食われたいなんていう願望を持ってる奴は居ないだろ…」
「…俺は、」
お前に食われても良いよ?
そう言った奴の笑みを見て、体に悪寒が走った。……怖い?こいつに恐怖を感じてる?俺が?こいつに?
……有り得ない。いや、有り得ないことだった。けど、その常識は今変わってしまった。
「……お前はどっちな訳?」
俺は訊いた。
「どっち?」
「食いたいの?食われたいの?どっちがお前の本心?」
「……うーん、出来るなら…」
食われたいかもしれない…
そう言ったこいつの目は、真面目だった。
「…何で?」
「ん?」
「何で食われたい訳?」
「……だって、そしたらお前の一部になれるじゃん」
「…?」
「お前が俺を食ってくれたら俺はお前の口内に入り、食道を通って胃に入る。その中でドロドロに溶かして養分になれば、お前の全身に俺が行き届く。…それって凄いと思わない?」
「……」
「でも、死にたい訳じゃないんだよ」
俺は、お前の中で生きたいだけ。
……こう言われたら、どう反応すれば良い?どう反応するのが正しい?
別にこいつの意見を否定するつもりはない。そんなの人それぞれだから…
けど、俺はどうすれば良い…?
「…ねぇ」
「ぇ…」
静かな口調に少し恐怖を感じた。
「食わないからさ、少しだけ…少しだけお前の味を知りたい」
「…食わないでどうやって味わうの?」
「噛みたい舐めたいしゃぶりたい。…とにかく、味わいたい、お前を」
「……」
こんなイカれた奴に愛しさを感じる俺も同類なのか…?
そんなことを考えていたら、いきなりバンッと押し倒された。
「…っ!」
「判断遅いよ。拒否しないのは肯定と受け取るからね?」
そう言って、舌で唇を舐める仕草をするのを見た。
それはまるで…狂犬のようだと、思う。差し詰め俺はそれを飼ってる狂った飼い主なのだろう。でも、こんな駄犬を他の誰が飼える?…そんなの考えるまでもない。
「……来いよ」
いっそのこと、お前はその欲望に身を委ねてしまえ。俺はそれを全て受け止めてやろう。たとえそれが、この身を滅ぼすことになったとしても…俺は、その運命をも受け入れる。
「――…いただきます」
言葉が聞こえた刹那、首筋に強い痛みが走った。首の肉を噛み千切られるかと思うくらいの痛みだった。
そして離されたと思ったら、そこを舐められる。それはまるで傷を癒やすかのようにも感じるし、本当に味わってるようにも感じた。
「……痛い?」
「まぁ…」
「ごめん…」
そう言って優しく甘噛みされた。
正直、少しでも噛まれるとかなり痛いけど…満足げな表情を見せられたら文句は言えない気が…する…
「…それで味は、」
味はどうだった?
そう尋ねたら、クスッと笑われた。
「…うん、美味しかった。お前の匂いと味を同時に感じられるなんて、幸せ」
「…そか」
「うん。でも、赤くなっちゃった…血も出てる、し…」
「あぁ…別に良いよ。なんかキスマークみたいで、良いかなみたいな…」
「ぇ…」
「お前に痕を付けられるなんて初めてだし」
俺はそう言って、俺の首筋を噛んだ口を指でなぞった。
…こんな可愛い口があんな強い力で俺を噛んだのか…なんて思ったら、自然と笑みが零れた。
「どうしたの?」
「…ううん」
誰かに強く求められるって…幸せだな。
……それは素直な気持ちだった。
少し血が出てることさえ嬉しい。
「もっと、求めて来て良いぞ」
「え、良いの…?」
「あぁ、お前になら構わないよ」
「……俺のこと愛してる?」
「勿論、他の誰よりもな」
「俺も、愛してるよ」
「知ってる。だって」
お前は…
俺しか、愛せないんだから。
「草灯!」
「ん?どうしたの立夏」
「歩くの速い!もっと遅くしろ!」
「あ、ごめんね」
ニコリと笑みを浮かべて、草灯は足を止めた。それを見て、俺は余計にイライラした。身長が違うんだから歩く速さが違うのは当然だ。それくらい分かれよ"大人"のくせに…
「立夏?」
「……何」
「はい」
そう言って草灯は手を差し出してきた。
…何、これ。
顔に出ていたのか草灯がクスッと笑った。何で笑うんだと言えば、
「立夏はまだまだ子どもだなって思っただけ」
と言われた。
草灯はいつもそうだ。俺を子ども扱いして…何なんだよ、草灯の馬鹿…
「立夏、怒っちゃった?」
「……」
草灯の手が戻って行く。
「立夏ー」
「……何」
「ほら、手」
そして草灯がまた手を差し出す。俺は黙って草灯の手を見つめた。
まだ、意味が分からなかった。
「立夏」
草灯の優しい声が鼓膜を揺らす。
「手繋ご?」
「……ぁ」
そういうことだったのか…
「俺と繋ぐの嫌?」
「…ううん」
俺は草灯の手を握った。
「別に嫌じゃない」
そう言ったら草灯は少し嬉しそうだった。
…きっと、"立夏"もこの瞬間に喜びを感じるんだろうなー…
そんなこと思っても俺にはよく分からないけど…俺は"立夏"じゃないし。
「立夏、好きだよ」
「…っ」
「好きだよ」
「な、何回も言う、な…!」
「だって好きだから。立夏が好きだから言うんだよ」
「……」
「俺は、立夏の物だから」
「物なんかじゃ…っ」
「立夏」
草灯が俺の言葉を遮った。
「立夏、いつか絶対…俺を抱いて?」
「え…?」
そして草灯は歩き出した。繋がっているから俺は引っ張られてしまう。
「そ、草灯…?」
「俺は立夏に抱かれたい」
「……それは」
清明の命令なのか?
そう静かに訊いた。
「違うよ」
草灯は答える。
「これは俺の意志。俺が立夏に抱かれたい」
「…そか」
「うん」
「けど、この間抱いたじゃんか」
「え?」
「1週間くらい前にギュッとさ」
「……ああ、あれね」
そう言うと草灯はまたクスクス笑った。
「確かに抱いてくれたね、ギュッと」
「だろ?」
「うん。でも俺が言ったのは…」
「?」
「…いや、何でもないよ」
立夏は…
やっぱりまだまだ"子ども"だね。
child
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昔にも似たようなものを書いてたんですがデータが消えたのでリメイクしました。
でも昔のはもう少し話が進んでましたが…まぁそこはドンマイで←
今まで一気に書きすぎた所為か、ネタ不足+スランプ気味です…おわた…
「んぁ…っ、や、め…!」
「そんなこと言って…体は喜んでるみたいだけどな」
「ぃゃ…ちがっ…」
卑猥な音が部屋中に響き渡る。それと合わさるかのようにお互いの吐息や喘ぎも混ざっていた。
「龍彦…」
「んあっ…!」
名前を呼ぶとビクッと反応があった。
これは、最近分かったこと。
名前を呼ぶと少しだけ感度が上がる気がする。今までもそんな女は居たが、俺が呼んだことはほとんど無い。呼ぶ意味も無かったし、呼ぶ気も起きなかったから。
だけど…今は呼びたい。俺だけが呼んでいい名前…
「…龍彦」
「ゃ…まさ、きぃ…!」
「…イキたいか?」
そう問うと、激しく頷かれた。散々焦らした結果だろうかと思ったら、自然と口角が上がっていた。
「じゃあ…イけよ」
「あ…っ!ゃ、んあぁああっ…!」
勢いをつけた途端あっさりとイった龍彦の体はビクビクと震えてた。
そして俺は静かに抜いた後、龍彦の体を抱き締め……
「……夢か」
なんていう夢を見てしまったのだろうか。悪夢ではなく、むしろ良い夢だったのだが…あまり目覚めは良くなかった。
「…はぁ」
こんなこと今までは無かったのに…
「雅貴ー!早く朝ご飯食えよ!食器片付けるのも俺なんだからさー!」
そう言いながらひょっこり姿を現したのを見て、俺は少しだけ笑ってしまった。
「んだよ、急に笑って…」
「別に?」
ただ…愛しかっただけだ。
そう言ったら、面白いくらいに龍彦の顔が赤くなった。
「な…何を急に…!」
「改めて好きって感じただけだが?」
「…っ」
「お前は…」
幸せ者だな
Is he happy?
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ごめん
悪ふざけ(^o^)←
こういう雅貴も嫌いじゃないのですw